三浦交通の話
京浜急行バスの古い路線などを調べると三浦交通という言葉に時々出くわします。今でこそ三浦半島地区は京浜急行バスが
独占して運行していますが、今から３０数年前までは三浦交通という会社のバスが走っていました。この会社は葉山に本社を置き
葉山町、逗子市、横須賀市、三浦市などに路線網を持っていました。
この会社は1949年に葉山観光自動車として設立されました。大手私鉄の独占を嫌い地元資本でいうのが設立の大きな理由でありましたが、
翌年には早くも営業不振から京急の軍門に下り、運行ダイヤも京急との協調、バス停の共同使用、定期券、回数券の共通化が行われています。
また貸切事業にも進出したが不採算であり、1960年代には貸切事業を廃止し、1970年には経営的な行き詰まりから京浜急行にバス事業を
譲渡して一部車両と乗務員は京浜急行へ移籍しました。車両の方は経営的な厳しさから旧年式車が多く、京浜急行への移籍車は京浜急行の社番
などから推定すると最新のものでも1966年製だったのでは無いかと推定されます。
三浦交通という会社はバス事業廃止後もタクシー会社として京急グループの一員として存続していたとの話もありますが、
商号も代わり現在では存続しているかも定かではありません。京急葉山交通が設立年や資本参加時期を考えると三浦交通の末裔ではないかと考えられます。
＊昭和38年頃の運行系統と本数
逗子駅〜元町〜葉山 39.5往復（夏季最大60往復）
逗子駅〜風早橋〜葉山 21往復（夏季最大30往復）
逗子駅〜風早橋〜葉山〜芦名〜長井〜引橋〜三崎公園 8往復
逗子駅〜風早橋〜葉山〜芦名〜長井〜引橋〜三崎公園〜城ヶ島 5往復
逗子駅〜船越〜横須賀中央駅〜衣笠十字路〜長井〜芦名〜葉山〜風早橋〜逗子駅 13.5往復
逗子駅〜船越〜横須賀中央駅〜衣笠十字路〜長井 13往復
逗子駅〜上山口小学校〜池上十字路〜衣笠十字路 4往復
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