横須賀駅から池上経由衣笠駅行の路線から１区間だけ飛び出した停留所があります。バス停の名前は”池上坂上。停留所付近は住宅地で別に変わった場所では無いのですが、ただ一つ不審な点はバスの運行時刻。平日のみ朝６：５４−７：５１まで計９本のバスが発車するのみです。道も結構狭いのですが、バス停奥にはちゃんと折返場も完備されています。
実はこの場所昭和５０年頃までは横須賀から衣笠に抜ける道路だったのですが、近くにトンネルが開通しバスはそちらの方を走るようになり池上坂上は通らなくなりました。しかし道路の狭さが逆に幸いし路線変更後の今でも朝になるとバスがやってきます。それはなぜなのでしょうか。写真で見ていただくとわかるように、この道狭いうえに急坂です。バスがすれ違うには非常に困難な場所のために途中に待避所が設けられました。これが現在の折返し場です。衣笠駅−横須賀駅は路線としてはそれほど距離があるわけではありませんが、朝ラッシュ時は、途中から劇的に乗客数が増えるために、ここで折り返す便があると運行上好都合なためにあえてこの場所を残したのが現在の状況です。
当時から住んでいる方のお話では、バスはノロノロ坂を上り、時には本来の待避場では無い場所でバス同志が出くわすこともあり、民家の敷地内まで入り込んですれ違っていたようです。なお今回の調査では池上坂上折返し系統が、トンネル完成時にできたのか、元々あったのかわかりませんでしたが、「京急８０周年史」の中に昭和２３年１１月１日に横須賀駅−池上坂上線運転再開とあるのでこの系統はあった可能性が強いと考えられます。またバスとは関係ないですが、現在この道は池上十字路手前で階段になっており車の通り抜けが不可能になりました。
（取材日９８年１０月１９−２０日）
補足情報
２００２年３月ダイヤ改正（改悪？）で本数は５本に減便となっています。
補足情報２
２００３年４月１６日のダイヤ改正でこの路線は廃止になりました。